2010年1月15日金曜日

「手かざし」で医者いらずだと!治療せずして子供が死亡!

またも痛ましい宗教事件が、福岡で起きたようだ。

「病気の長男(生後7か月)に医師の治療を受けさせず、死亡させたとして、宗教団体職員の夫婦が殺人容疑で逮捕された事件で、福岡県警捜査1課と東署は14日午前、容疑を裏付けるため、福岡市東区にある宗教団体の総本部事務所の捜索を始めた。
 逮捕されたのは同区唐原4、高月秀雄(32)と妻の邦子(30)両容疑者で、長男の嘉彦ちゃんが重度のアトピー性皮膚炎を患っているのに、病院で治療を受けさせず、昨年10月、敗血症で死亡させた疑い。両容疑者は信者で、施設管理や清掃などの業務を担当。「浄霊」という患部に手をかざす行為で、嘉彦ちゃんの病気を治そうとしていたという。(2010年1月14日 読売新聞)」

被害にあった赤ちゃんが、不憫でならない。でも逮捕された親夫婦も不憫な被害者であるかも知れない。ある記者の話ですと、彼らは中学生や小学生のときから宗教団体に入っていたという。ということは、彼らの親も狂信的信者なのではないか。つまり、この事件の容疑者となってしまった親たちもマインド・コントロールの被害者である可能性は高いだろう。

いつになったら、人々は目を覚ますのだろう(そういえば、目を覚ますにもじった雑誌を一軒一軒届ける団体もある。彼らは輸血拒否をする。目覚めるべきなのはそちらなのだと言いたいものだ)。スピリチュアルだ、霊能力だと騙して金をとる詐欺師が世にはたくさんいるんだ。 今回の事件のような、通常の医療を受けられないで命を落としたり、重篤な病状に陥る事件はくりかえしおこっているのに、なんともまあ、はびこっている。ちゃんと検証せずに超能力や霊能力の存在を認める形で放送するテレビ番組の制作者は、間接的な加害者という認識に立って反省してほしいものだ。

人は信じやすいものだ。確かに人には、自己治癒力や心理的な効果で病状に改善がみられたりすることはある。しかし、それが何も万病に効くパワーがあるはずがない。どんなに”修行”積んでも、エラい人のエネルギーをもらっても、妙薬とされるあやしいものを飲んでもだ。運よく、体が丈夫で多少の病気からは人は自然と回復するだろう。ただ、人はそのプロセスで、治りたい一心で何かをすると、そのせいでよくなった勘違いしてしまう。おまじないをしようと、イワシの頭を首飾りにしようと、足をかざそうと、ただ祈っていようと、そういうふうに信じてしまいがちだ。そんなすごいことがあると思うと、人は他人にもすすめてしまうし、そしたら他の人も同じ経験をすることになる。それを人は観察して、そのパワーへの確信を深めることになってしまう。これが迷信の発生だ。

2009年12月10日木曜日

オウム裁判でまたも・・・

今日、私が鑑定人となった元オウム真理教の井上嘉浩くん、今日、最高裁は死刑を言い渡しました。残念です。マインド・コントロールについての理解は示してくれませんでした。頑張って意見書も書いて提出してあったのですが。その意見書の論にどんな反論して死刑なのか、聞かせてほしいです。もちろん広瀬くんも豊田くんに対する裁判にも意見書を書きました。それらの判決にも同様の思いです。裁判所は、死刑にするばかりが脳じゃないでしょうに、仇討してあげているつもりなんでしょうか・・・・と個人的には思っています。

2009年11月17日火曜日

婚カツ時代は、社会心理学者の出番

結婚が自由競争である今、勝つか負けるは、本人の婚カツ次第である。ただ、頑張って出会いの場面に恵まれても、話しかけられない、親しくなれないでは、ゴールは遠い。特に、男性の役割は、まずイニシアティブをとらねばならない。草食などと言っていては難しいことは間違いない。
ということで、イケテル男性に改造することがもっとも大切なことになる。社会心理学には、相手が魅力を感じるのはどういうときかの研究がたくさんなされてきた。そのような成果を応用すれば、婚カツの強い味方となるのだ。私もそのはしくれ、当然ながら具体的トレーニング方法を知っている。だが、なかなかそのコラボのチャンスが得られない。

2009年11月15日日曜日

結婚詐欺の女は一般に美人でないと知るべし!

 結婚詐欺の女というと、容姿端麗と思っている方が多いようです。しかし実際には、その誤った思い込みこそ、まさに騙されやすさをつくっています。実際には、美人でないからこそいとも簡単に男性を騙せるともいえるのです。実際の被害者は、結婚したくても女性には縁遠く、はっきりいってモテず、自ら恋愛や結婚の相手を見いだせる魅力に自信のない方なのです。今は、見合い結婚の文化がなくなり、年齢もある程度過ぎると、誰からも紹介してくれなくなった今、インターネットサイトは、結婚相手と知りあうために「最後の切り札」なのだと思います。
 ”釣り合い”というのを人は考える心理があります。被害にあう男性がキムタクばりのハンサムなら別だけれど、昨日まで、モテなかった男性に、今日から突然、”高嶺の花”とみなすような美しい女性から言い寄ってくるはずはないのです。これまでさびしい思いをしてきた男性は、その現実を理解しているから、急に、美人が近づいてくれば、当然、警戒するでしょう。
 つまり、結婚サイトへの書き込みに応じてきた女性が、美人ではないからこそ、自分のような男でも”ありうる”というリアリティを感じるのです。”夢”を見るのですね。やっと結婚できて温かな家庭を築けるかも知れないという・・・。そのために相手が用立ててほしいというお金なら、惜しくないと思ってしまうのも無理のない話ではないでしょうか。

2009年10月1日木曜日

カルト対策についての公開講座

日本脱カルト協会では、本年度の公開講座を下記の要領で開催いたします。
皆様におかれましてはお忙しいところ恐縮ではございますか、どうか、ふるってご参
加いただきたいと存じます。

なお、PRのチラシを以下よりダウンロードしてご活用いただき、他の関係者などにも
御誘い願えたら幸いです。
 http://www.jscpr.org/other/JSCPR2009_osakauniv.pdf

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JSCPR公開講座『大学におけるカルト予防の実際と展開』
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日時: 平成21年11月28日(土)13:00~17:00
場所: 大阪大学医学部保健学科講義室
     〒565-0871 吹田市山田丘1-7
会費: 資料代金として1000円のみ(学生は無料)

※ 参加申し込みは当日会場にて受け付けます。
 
12:30 開 場・受 付
13:00~13:30 「開講の挨拶」 楠山泰道(JSCPR代表理事)
       「大阪大学(開催場所)の現状」 太刀掛俊之(大阪大学)

13:30~14:30 「調査報告:各大学におけるカルト予防の実際」渡辺浪二(フェリス女学院大学)

14:30~14:50        休憩

14:50~16:00  「実践報告:カルト予防の新たな試み」 瓜生 崇(大阪大学),福岡晶子(大阪商業大学)

16:00~16:10        休憩

16:10~16:55 「ディスカッション:大学の取り組みの方向性」
       司会: 櫻井義秀(北海道大学)
       渡辺浪二(フェリス女学院大学)
       瓜生 崇(大阪大学)
       福岡晶子(大阪商業大学)
       大和谷厚(大阪大学)

16:55~17:00  「終了の挨拶」 楠山泰道(JSCPR代表理事)

2009年9月24日木曜日

日本応用心理学会で「振り込め詐欺の心理」報告

今年もまだまだ「振り込め詐欺」が続いているようです。
先日、振り込め詐欺の心理について初の学会発表(日本応用心理学会第76回大会 於:九州大学)を行いました。
3M以上ありますが、そのとき使用の発表ポスターをダウンロードできます。
http://nursing.u-shizuoka-ken.ac.jp/~nishidak/JAAP2009.pdf

2009年5月24日日曜日

裁判員制度が始まった…

 始まってしまった裁判員制度であるが、私にはまだその現実感はない。さて、普通では国の制度というのは認知されれば受容度も上がることが多いのだけれど、それとは逆に、知られるほど、反対にまわる人が多いらしい。
 さて、裁判が短くなるのは、良いと思うし、裁判官の非現実的な感覚に一般人の感覚が影響するのはいいとは思える。しかし、いろいろと不安も多い。いわゆる陪審員制度は、裁判官は合議に参加しないのだが、この制度ではどうしてもリーダー的になりやすい。そして陪審員制のように全員一致制ではなく、多数決で決めるという。司法のプロである彼らと対等に議論できる市民がうまく選ばればいいなあと思う。私は、証言に立つ機会が何度もあったので、多少は法廷の雰囲気はわかるつもりだが、厳粛なあの場の雰囲気は、独特で、はじめて経験される方々に与える緊張感がプラスであればいいのだが不安でもある。ちなみに、法定証言は実にきついもので、私は依頼のたびに身がすくむ。また検察側とちがって、弁護側の証拠収集はふつうでもハンディがある。警察の立場は、当然ながら検察びいきになるので、弁護士は短い時間での反証情報の収集がたいへんだろう。
そんな状況で、果たして、一般の裁判員の良心は、その呵責なしに務めが果たせるのであろうか。もうじき公判は、始まってしまう。選ばれた人の心境はいかに…。