2009年5月24日日曜日

裁判員制度が始まった…

 始まってしまった裁判員制度であるが、私にはまだその現実感はない。さて、普通では国の制度というのは認知されれば受容度も上がることが多いのだけれど、それとは逆に、知られるほど、反対にまわる人が多いらしい。
 さて、裁判が短くなるのは、良いと思うし、裁判官の非現実的な感覚に一般人の感覚が影響するのはいいとは思える。しかし、いろいろと不安も多い。いわゆる陪審員制度は、裁判官は合議に参加しないのだが、この制度ではどうしてもリーダー的になりやすい。そして陪審員制のように全員一致制ではなく、多数決で決めるという。司法のプロである彼らと対等に議論できる市民がうまく選ばればいいなあと思う。私は、証言に立つ機会が何度もあったので、多少は法廷の雰囲気はわかるつもりだが、厳粛なあの場の雰囲気は、独特で、はじめて経験される方々に与える緊張感がプラスであればいいのだが不安でもある。ちなみに、法定証言は実にきついもので、私は依頼のたびに身がすくむ。また検察側とちがって、弁護側の証拠収集はふつうでもハンディがある。警察の立場は、当然ながら検察びいきになるので、弁護士は短い時間での反証情報の収集がたいへんだろう。
そんな状況で、果たして、一般の裁判員の良心は、その呵責なしに務めが果たせるのであろうか。もうじき公判は、始まってしまう。選ばれた人の心境はいかに…。

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